就活はまさに限界の「圧力釜」状況にある。混迷を深める就活に一刻も早く終止符を打ち、その構造を抜本的につくり変えなければならない。負のスパイラルを引き起こしている発端は明らかに企業の採用活動の前倒しにある。それならば「企業の選考時期を遅らせることができるのか」について検証してみよう。就活の早期化問題はいまに始まったことではない。文部省(当時)が早すぎる就職活動が大学教育に悪影響をもたらしている、という理由で通達を出しだのは一九五二年にまでさかのぼる。
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この通達をもとに一九五三年に企業・大学・関係官庁間で協定が結ばれたが、紳士協定のために遵守されずに有名無実化して、結局一九九七年に企業側が協定を破棄している。その後、よく知られるように日本経団連が二〇〇三年に早期化に縛りをかける「倫理憲章」をつくって現在に至っている。しかし、「倫理憲章」後もこれまでは履行されるどころか、前倒し傾向が強まってきたのが現実だ。「選考は四月以降」と表向き遵守する経団連の傘下の大企業も、四月中旬には内々定を出すなど、実質四月の選考までに学生のふるい落としを終えているところが大半だった。このため、毎年「早期化是正要求」を経済団体に突きつけている大学側も「経団連の倫理憲章では何も変わらない」と半ばあきらめ顔だったのである。