メディア系の会社への転職を策したA君。彼は、もともと文章を書いたり、情報を発信したりすることに興味があった。最初に就職した証券会社に10年ほど勤めた時点で、知人の紹介で、あるメディア会社の面接を受けて、一次、二次の面接に合格した。「役員面接は形だけだ」と言われていたこともあって、会社に退職願を出して早々に退職手続きを進めてしまったのだが、最後の役員面接で、この役員との相性が悪かったようで、採用に反対されてしまった。
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退職の意思を撤回するのは格好が悪いし、その証券会社には愛想が尽きていたので、そのまま退職して、メディア関係と証券関係両方で職探しをすることになったのだが、三ヶ月ほど経っても行き先が決まらず、その後、会社の元上司の紹介でメーカーの財務部に入った。しかし、この会社の財務部は仕事のレベルが低いうえに、給料も安く、また社内の雰囲気が彼には合わなかった。結局、このメーカーを一年少々で辞めて、友人の縁で別の証券会社に入った。キャリア上の回り道と余計な苦労をしたことは間違いない。勤務先の上司に退職の意思を伝えてから、行き先として期待した会社の採用が思わしくなくなったB君は、恥を忍んで退職の撤回を願い出て、会社にとどまった。しかし、会社の中では、「一度辞めたいと言った男なので大事な仕事は任せにくい」といった扱いをされてしまった。その後、二、三ヶ月で、別の転職先を見つけて結果的には転職に成功したが、早めの退職意思表明は「余計なこと」であった。彼の場合、意地を通して退職して無職になって職探しをするよりは、我慢して会社に残ったことが正解だったと思う。しかし、次の行き先が見つがらなければ、辛いところであった。